SPEC

4. 耐震性能

 

基本耐震性能 耐震等級2以上 (許容応力度計算による)

 

・今の家は昔より技術も進歩して強いでしょ?

・「~工法」だから強いでしょ?

・何千万も払っているんだから計算してるでしょ?

 

このような思い込みはキケンです

 

構造計算するのは当たり前だと思うかもしれませんが、2階建てまでの住宅は詳細な計算(提出)をしなくても、地震や風に対して必要な壁の量などを簡易に計算しただけで建物を建てていいですよという許可がおります

しかし、建物というのはそれぞれの仕様に応じて重さも変化し、水平面の揺れに対しては床の強さも必要になるなど簡単な計算だけでは見えていない項目が多く存在します

それらを計算せずに許可が下りるだけの最低限の計算やルール(仕様規定)のみで終わらせるだけでは安全とは程遠い家になってしまいます

そのためにもどの工法でも耐震等級の取得・計算により安全性を明確化する必要があります

 

 

  

 

耐震等級とは

 

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等級1で震度6強~7の地震で倒壊しないレベルとなります

この倒壊しないというのは倒れはしないが主要構造部が損傷し、逃げ出す時間はあるが建て直しが必要になるくらいの耐震性能

熊本地震では震度7が2回あり、震度6強の余震も5回もあるように地震は余震も含め一度だけとは限りません

等級1の建物(2000年以降)でも7棟倒壊、全壊が12棟あり、大規模半壊などは約100棟ほどあったことから倒壊しないレベルの等級1の建物がどれだけ危険かということがわかります

等級3の建物は14棟が無被害、2棟が軽微な損傷であることからやはり耐震性能を高めることは必須だということが確認できます

北陸は他県に比べて積雪などの基準から等級3にするのは大変ではありますが、こを目標として、そこまで性能を上げてから制振ダンパー等の提案をさせていただきます

 

端工務店では許容応力度計算という方法で構造部材や基礎がそのプランでの家の荷重、地震・風圧力、積雪に耐えられるか検討し、その建物を3Dシュミレーションソフトにより実際にあった地震に耐えられるか検討することでさらに安全性を確認します

構造の計算方法によっては必要な壁の量も変化するため計算方法の選択も重要です

 

 

 

 

5. メンテナンス性 

 

家を建てた後にかかるお金

 

「月々〇〇円の返済で、〇〇年で完済」 これならやり繰りできる!

 

この計画の中には家のメンテナンス費、光熱費が含まれていますか?

 

暖冷房費は断熱の項目にあるように、その仕様での費用の資料を提示し、おおよその金額を把握していただきます

 

家のメンテナンス費のことを考えてみると

現在最も多く使用されている窯業系サイディング(外壁材)の場合、材料同士の隙間を埋めるコーキング材の劣化、表面塗装の劣化

10年ほどでメンテナンスが必要になり、費用も150万円以上となります

 

その他にもエコキュートやエアコンなどの設備機器、換気部材の交換、設備機器は大体10年ほどで故障や交換が必要になってきます。設計上の標準使用期間として期限を定めているものもあります

一般的なバルコニー防水も10年ほどで塗りなおしがあり、一般的なシロアリ予防の薬も再施工が必要になるなど多額のメンテナンス費用がかかります

 

家を建てる時からこのお金がかかることを知っておき、先の計画を立てておくことが大切です

家を建てる段階でこの先どれくらいのお金がかかり、そのお金をなるべく減らすための提案をいたします

 

なるべくメンテナンス費用を抑えるには

例) 窯業系サイディングではなく、塗り壁やガルバリウム鋼板(板金)、木板張などを選択する

イニシャルコスト(初期費用)は多くかかってしまいますが、メンテナンスの期間を遅くしたり、なるべく費用がかからないように材料を選定します。材料の中には劣化スピードが早いものもあるのでその点も重要となります

デザイン的にも他と違う家となり、より愛着がわきます

  

例) エアコンの容量計算をする

昔に比べると家の性能は上がっていますが、エアコンの畳数の目安は何十年も変わっていません

エアコンは10年ほどが交換の目安になるので、なるべく少ない台数、少ない畳数(安い)にしておきたい

そのためにも家から出ていく、入ってくる熱を計算し、エアコンの適正容量を計算します

 

これらは一部ですが、このように家を建ててからもなるべくお金がかからない家を提案いたします

 

 

 

 

6. デザインとのバランス

 

視覚による快適性 

 

どれだけ断熱・気密・換気にコストをかけて、快適な家を完成させてもシート貼りの床材・扉、ビニールクロス、変化のない照明計画などに囲まれてしまうと...

性能を上げることは当たり前のように重要ですが、視覚から得られる快適性も同じくらい家には重要な要素です

 

年老いたときに、家を建てたときのような感覚のままいられるでしょうか?

あのときはかっこいいと思っていたものがそうでもなくなり、なんだか今の生活に合わないような気がする...

そんなさみしい気持ちにならないためにも、視覚的にも快適で将来家から取り残された感覚にならず居心地よく住むためには

無垢材、木材、タイル、石、煉瓦、自然塗料、照明器具、アールの壁、植栽など場所や割合の見極めが重要です

 

建物だけの経年変化はあまり素敵とは言えないですが、玄関アプローチなど周りの自然や植栽と共に変化することでより家としての価値があがり、外とのつながりができ、昔からそこにあったかのような家になります

無垢材はとても温かみがあり、見せる構造材としても素敵ですが、その割合が多すぎかなと考えることもあります

それが好きでたまらないという人はそうしても良いと思います。床材の一部をタイルなどにして見た目の割合を変えるだけで雰囲気がガラッと変わります

 

ただの廊下でもアール壁の出現でやわらかい空間になる一方で緊張感のある収まりとなります

 

これらのように上品な空間づくりをすることで

心のよりどころを作り、常に建物と人との距離を縮めたいと考えています

 

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断熱・気密・換気はとても大切ですがこの工法じゃないとだめだと決めつけるのではなく、性能が確保できるのなら技術力でカバーできるのならコストパフォーマンスが良いものを選ぶことが大切です

そして浮いたお金で視覚による快適性を高めることで大切に思える愛おしい建物となります

 

それぞれのバランスを取りながら最高の建物を提案いたします